確率とは
ここでの確率は中学高校の数学上での確率に関する記述です。
さて「確率とは?という問いに対して何と答えますか?
「降水確率みたいなものだよ。」「全事象分の場合の数だよ。」
まあ間違えではないですかね。。。
確率では、何より大切な大前提があるので、そこを抑えておかないと解答する際に妙な違和感を感じた状態を抱えてしまいます。
抑えておくべきポイントは、『各根元事象は同様に確からしい』ということです。
簡単な例を示しますね。サイコロを投げた場合のことを考えてみましょう。
根元事象とは、1つだけの結果からなる事象のことです。
上の図で言うと、サイコロを投げた際に出た目が1であれば根元事象と言います。
一方、サイコロを投げた際に出た目が偶数である時は根元事象とは言いません。出た目が2・4・6の事象に分けることが出来るからです。
ものすごく単純に言えば、各根元事象が同様に確からしいというのは、「サイコロの目1~6が出る割合が等しい」ということです。
これによって、いびつなサイコロなどのイカサマを無視して考えることが出来るのです。
この前提を抑えた上で、確率というのは、「事象の起こりやすさ」を数値化したものになります。
当たり前やないか!となる人は素晴らしい感性です。その上で次の目的に移ってみましょう。
確率の目的
確率の学習をする目的は、一言で「合理的意思決定を行う為」だと僕は思っています。
特に現在選択部分になっていますが、「期待値」という概念が「合理的意思決定」を行う上で使われる言葉です。
期待値とは
それでは、なぜ期待値という概念が確率と関係するのか。「期待値」の定義に立ち返って、説明します。
$$ 期待値 = \sum 確率×得点 $$
高校数学の範囲では、ざっくり言えば上記のように定義されています。
数式から見えるように確率が密接に関わっているのです。そんな意味で期待値も含めて確率の学ぶ目的を考えていきましょう。
合理的意思決定が必要な理由
ここで合理的意思決定がなぜ大切なのか。学生にとって意味があるものなのか。その部分について綴らせて頂きます。ここからは数学の話ではありませんので読み飛ばしてもらっても構いません。
至極当たり前のことですが、「何かを決める」ということは「同時に決めた以外のものを捨てる」ということです。
例えば、友人とファミレスに行ったとしましょう。
そんな時、メニューを見て何を食べればいいのか分からない。
そこであなたは、ハンバーグを選んだとしたら、カレーやパスタを食べるという選択肢を捨てるということになります。
このように「捨てるもの」を明らかにすれば、合理的な選択をすることができます。
一般的にはやらないでしょうが、カレーやパスタを食べることに得点を付けることはないですが、これが大きなお金が動くようなゲームだったらどうでしょう。
宝くじを買うことは得なのか?
お金がかかってくるゲームと言えば、真っ先に浮かぶのがギャンブルと思われます。
ここでは身近と思われる『宝くじ』を例に挙げます。
まず、宝くじを買うことは「得」でしょうか?
そもそも「得」とは何か、ここで決めておきましょう。もちろん損得の得です。
ここでの「得」とは以下の様にします。
$$ 期待値 – ベット額(最初に支払う金額) > 0 $$
さて、この時、宝くじを買うことは得なのでしょうか。
まずは確率が求まらないと進まないので、「2020年ジャンボ宝くじ」で考えます。
宝くじ一口あたりの期待値を求めます。料金は300円とします。
宝くじの裏面にあたりの本数が記載されていますので、それを基に確率を計算します。
1,000万あたりの当選本数なので、分母が1,000万で分子に上記点線の右横にある数字が入ります。それらを計算した結果が以下の表になります。
等級 | 当選金 | 本数 | 当選確率 |
1等 | 3億円 | 12本 | 1/1000万 |
1等 前後賞 |
1億円 | 24本 | 1/500万 |
1等 組違い |
10万円 | 1188本 | 99/1000万 (約1/10万) |
2等 | 1000万円 | 36本 | 3/1000万 |
3等 | 100万円 | 120本 | 1/100万 |
4等 | 5万円 | 36000本 | 3/1万 |
5等 | 1万円 | 24万本 | 1/500 |
6等 | 3000円 | 120万本 | 1/100 |
7等 | 300円 | 1200万本 | 1/10 |
表の確率と当選金額を期待値の定義式に当てはめて計算すると次のようになります。
$$ 期待値 ≒ 149.99 $$
よって、宝くじは一口300円なので、
$$ 期待値 – ベット額 ≒ 149.99 – 300 ≒ -150 <0 $$
となり、宝くじを買うことは得ではないことが分かりました。
まあ宝くじを販売している側も商売なので、必ずもうかる仕組みを作っている訳ですよね(笑)
もちろん、他に数多の購入方法があるので、気になった方は是非ご検討ください。
最後に
確率・期待値の学ぶ理由は理解できたでしょうか。また興味を持ってもらえましたか?
実は日常に溶け込んでいる確率。意外と思った方もいるかもしれませんね。無理して期待値を使わなくてもよいので、この記事を読んでいただいた方は、何か数的根拠を持って発言などのアウトプットするきっかけになってもらえればと思います。
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