数学の学び方 ~問題を知る~

数学の学び方

相手を知ることが大切

そもそもなぜ「相手を知ること」が必要なのか。

単純ですよね。(笑) 相手を倒す戦略が立てられないからです。

昔の戦国武将も相手軍の規模・本陣の場所・将軍は誰なのか etc…といった情報を頼りに攻略していきますよね。相手の情報があるからこそ、自軍の打ち手が変わってきますよね。

その為に、戦の意義・相手の特徴・そこからの攻め方を考えていきます。

上記の意味で言うと、今回は相手の特徴について述べたいと思います。

数学の学ぶ意義の部分は前回の記事で数学について述べさせてもらっていますので、そちらを参考にしてください。

攻め方は細かい話になるので、今後お伝えさせてもらいます。

数学の問題について

数学の問題って複雑ですよね。問題文を読んで何から手を付けたらいいのか、全く分からない!といった経験をしている方もいるのではなないでしょうか。

本当に気持ちは分かります。僕自身も、解けない問題に対峙したときは「もういや!」なんて気持ちになるとこもあります。(笑)

ただ今回で「分からない部分」を明らかにできるようになってもらえれば幸いです。

数学の問題構成として以下の3つが考えられます。難易度もその構成要素に応じて決まっていると僕は思っています。

「概念化・構造化」+「数式化」+「計算」

難易度の話をすれば、

「概念化・構造化」が必要な問題は高難度です。具体的には確率の問題や複素数平面などの問題が考えられます。なかなか手ごわそうですね。そうなんです。この部分は大学受験で言えば、旧帝大・国公立・有名私立の問題で出てくる内容です。

とは言え、数学を理解するにあたって必要な考え方になるので、時間がある時に読んでください。

「数式化」が必要な問題は中難度ですかね。文章題や図形の問題が挙げられます。

ここについては、中高関係なく必要な部分になるので必読です。なんとなく数学が出来ている人や計算はできるけど。。。という方は特に読んでもらえると気付きが多いかと思います。

「計算」はそのままですね。ただ計算でも多少は必要な部分があるので、そこの部分を解説できればと思います。

 

概念化・構造化

概念化とは、簡単に言えば「問題文を理解する。」という意味の解釈がいいと思います。具体的にどんな解釈なのかというと、

「自分なりの言葉で解釈・咀嚼」「図やイメージで表現できる」

というものです。これらを行う目的としては、間違いなく「数式化」「計算」です。

なので「数式化」「計算」のどちらかが出来るまで、上記の2つを繰り返すわけです。

特に「自分なりの言葉で解釈・咀嚼」の部分でつまづく人が経験上、多いので解説していきたいと思います。

自分なりの言葉で解釈・咀嚼

この部分を解説するにあたって、「そもそも自分なりの言葉とは何か?」という部分からスタートします。

「数学における自分の言葉なんかあるわけない!!」

と思った方は、大正解です。自分なりの言葉の始まりは、全て教科書や参考書の言葉・用語です。結論を伝えると、言葉・用語の定義を覚え、理解することが一番大切にです。

ここで「自分なりの言葉で解釈・咀嚼」について簡単にお伝えすると、問題の文章を翻訳することです。

英語の学習で英文和訳や和文英訳を行う際に、全く同じ解答がありましたか?十人十色の解答があったかと思います。ただ、解答に近しいものを創り上げるには、「単語」が正しい意味で覚えている必要がありますよね。

数学でも同じです。教科書に出てくる単語をきちんと覚えることが大切なのです。例えば、「方程式」を正しく説明できますか。なかなか難しいですね。この様な部分を1つ1つ、覚え・理解することが大切なのです。

 

図やイメージで表現できる

文章を図で表すことは、小学校の時に学んだ「速さ」という単元で見た図をイメージしてもらえるといいですかね。

図で表現した際のメリットとしては、2点です。②は特に高校数学はとても大切です。①は中学数学でも高校数学でも大切です。

①問題の概要が掴みやすくなる点

②見たことある問題に帰着する可能性がある点

ともに具体例を見てみましょう。

まず、①の具体例です。

【問題】AくんとBくんがP地点を同時に出発し、 P地点から2.4㎞はなれたところにあるQ地点へ向かいました。Aくんは毎分30m、Bくんは毎分70mで歩き、Q地点に着いたらそのまま休まずに引き返します。2人が初めてすれちがうのは、出発してから何分後ですか。

 

どうでしょう。文章だけで解けた!という方は、すぐさま②の説明に向かいましょう。本当にすごいです。もはや数学得意なんでは?と思うぐらいです。(笑)

んーーわからん!!という方は、図で考えてみましょうか。

 

こんな感じですかね。Aくんがカメ、Bくんがウサギです。そして数式にしたら、3行で終了です。驚きですね。

 

次は②の具体例です。

【問題】三角形ABCは辺ABと辺ACの長さが等しい二等辺三角形です。ここで、AB=AC=5, BC=6です。頂点Aから辺BCに下した垂線を l(エル)を考えます。三角形ABCを、l(エル)を軸として1回転させたときにできる立体の表面積は何c㎡ですか?

 

いかがでしょうか。流石に図形問題を文字だけで書かれたら、図形を描くしかありませんね。(笑) ここで大事なのは、図形を描いた結果、見たことある問題(解けそうな問題)に帰着できるかどうかです。図形にしてみましょう。

円錐の表面積や体積の求め方!すぐ分かる方法を慶応生が解説!|高校生 ...

問題文の通りに、図形を描くと上図のようなものになりますね。

見たことある問題に見えるでしょうか。問題文を読んだだけでそう思えた方はしっかり学習している証拠です。

さて、この問題は、「円錐の高さ・体積を求める」という問題と同じですね。中学3年生で見たことある問題に変わります。このように中学範囲だけでなく、高校範囲も同じように考えることが出来ます。ここから実際に解答していきましょう。

まず円錐の高さを $$h(h>0)$$ と置きましょう。ここから三平方の定理より、

$$h^2+3^2=5^2$$

$$h=\sqrt{25-9}=4 \ (h>0より)$$

よって円錐の体積は次のように求めることが出来る。

$$\pi × 3^2 × 4 × \frac{1}{3}=12\pi $$

 

簡単な例にはなりますが、今回は紹介程度なのでご了承ください。他のパターンについては、これからの問題を楽しみにしていてください。

 

数式化

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言わずもがな、数学で困る部分ですね。特に文章題は非常に困ります。

数式化は文字通り、文章・図形・イメージを数式にすることですね。

数式化する上で大切なことは、公式・定理とわれるものを正しく覚えることです。

公式や定理は条件を満たさないと活用することが出来ないのです。普通は感覚的に理解していることなのですが、学生に質問しても上手に返ってくることは少なかった経験があります。よく数式だけ覚えていたりしませんかね?

例えば、三平方の定理といえば?という質問に対して、多かった回答が

$$a^2+b^2=c^2$$

です。数式だけで答えちゃってますね。(笑) ただ、正しい定理の内容が頭に入っているなら何も問題ありませんよ。正しい定理の内容は次の通りです。

三平方の定理

斜辺の長さが c, 他の2辺の長さが a,b となるような直角三角形に対して、

以下の等式が成り立つ。

$$a^2+b^2=c^2$$

直角三角形の辺の長さの求め方と計算ツール - 具体例で学ぶ数学

まあ硬いですね。逆にこんな風に答えられたらさすがに焦りますよね。(笑) 図形まで書いてくれたら、先生か教授かオタクの3択でしょうね。(笑)

ここで大切なのは何度も言うように、条件と数式です。この三平方の定理で言うならば、こんな感じです。

$$条件:直角三角形$$

$$数式:a^2+b^2=c^2$$

この部分は意識していないと、全く解答できなくなってしまう問題があったり、思わぬ誤答を招いていしまいます。「知ってるから大丈夫!」ではなく、「知ってるからこそ、抑える!!」この心構えでいてください。

 

計算

black and white number buttons

計算はできる!!という方もいるでしょう。塾講師をやっているときでも、できるという方は多いと思います。学校(公立)の定期テストなら計算ができれば4割取れるような問題構成になってました。(地域によります)

そんな訳で、とにかく計算だけはできるようにしよう!!と言って指導したことも覚えています。僕も学校でひたすら計算テストが繰り返される時間がありました。非常に辛かった記憶があります。(笑) そんなできるけど、しんどいという印象があるのが計算問題ですよね。

そんな計算問題について僕から言えることは2つです。

①しんどいと思っても進んでみる!!

②楽な方法を模索する!!

 

???

①と②で言っていることが矛盾してるのではないか?と思った人は正解です。

ここでは、①では最後まで解ききることが大切という意味を示唆していて、②では、スマートかつ時短で解けることが大切という意味を表しています。

②の具体例については、色々ありますが、頻繁に使えるものとしては、因数分解や多項式の割算などですね。この部分も問題を解説している中で触れることが出来ればと思っています。特に因数分解は扱えると格段に変わることが多いので是非身に着けていただきたいです。

まとめ

graphing notebook

最後にまとめとなります。長々と書かせて頂きましたが、数学の問題を解答する4つのステップで考えることが多いです。特に 1.と 2. が入っている問題は難問と言われるので、志望先に応じて対応してみてください。

    1. 数学用語(定義)は正しく覚える。
    2. 文章を図や自分の言葉(教科書の言葉)で書き換える。
    3. 公式・定理は数式と条件で覚える。
    4. 計算は泥臭く、スマートにする。

これからは、問題も解説していければと思います。少しでも数学の問題を解くきっかけになってくれればと思います。

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