数学の学び方 ~「数学とは」を考える~

数学の学び方

 

数学って何の意味があるの?を考える前に一言

僕は数学が得意です。そして大学・大学院でも数学を研究していました。

このような話をすると、「数学って何の意味があるの?」と問われることが沢山あります。

僕はこのような疑問に対して答える前に「数学とは何と思っているのか?」と逆に聞き返したくなることが多い。

ただ僕は、そんな失礼なことはできないので回答中に織り交ぜて、話すようにしています。

なので、今回は読んでくれている方々に問うてみたいです。

 

数学とは

もし、純粋な少年に「数学って何?」と聞かれたら、あなたはどう答えるだろうか。

「計算することだよー」「難しい科目・みんなが苦手な科目だよ」「数・図形に関する学問」etc…

どれも間違いではありません。

ただ、疑問をぶつけてくれた少年はどのような顔をしているでしょうか。

また、回答したあなたもどのような顔をしていますか。

ドヤ顔でも不安げな顔でも続きを読んで、目をキラキラさせて回答して欲しいと思います。

 

私の思う数学とは

僕の回答としては、「数を用いた真理追究」です。

世の中の曖昧な表現を、一般的に普及するには数への言及が必要不可欠です。

具体的には「料理の美味しさ」が挙げられます。(僕はあまり料理をしませんが。。。)

料理のレシピには「塩500g」などと数字を用いてますよね。これが何を意味しているのかというと、料理の美味しさを材料の種類とそれぞれ適切な量、調理手順で表現していることになります。

もしレシピで塩500gのところを5,000g入れてしまったら、とんでもなく塩辛い料理になって他の味(酸味や甘味など)が全く感じられなくなりますよね。(笑)

$$料理の美味しさ=選ぶ材料×量の適切さ×正しい手順$$

敢えて数式で簡単に表現するなら上記のような数式になります。どこもかけてはいけないものになりますね。それぞれの要素については様々な試行錯誤から導かれているので、ここで細かいことは気にしないで下さい。(笑)

ここで大事なことは、何か曖昧なことを他の人に共有するには数があると非常に伝わりやすいということです。

その数の精度に拘っていく為に数学という手法を用いているのです。

 

数学の種類

数学の種類は、大きく分けて2つあります。純粋数学と応用数学です。

数学が好きな方は、純粋数学の方から、また数学が苦手・嫌いな方は応用数学の方を読んで頂きたいです。

純粋数学とは

チームでやることが、1+1=1の結果しか生まないこともあるワケとは ...

純粋数学は、単純言えば、足し算などの演算の話や図形の話、確率があったりします。

特に、足し算の部分の話をすれば、「1+1=2 である理由を述べよ。」や「0とは何か。」といった哲学のような問に向き合う学問です。

事実、数学者の中でも哲学者は歴史上でも存在しているので、純粋数学という分野は非常に奥が深いものとなっています。

中でも1つの定理を証明できれば、宇宙の大きさが分かるかもしれない。という無限の可能性も秘めているのです。

考えることが好きな方にはお勧めですね。

応用数学とは

正規分布とは?簡単にわかりやすく標準偏差との関係もガウス分布 ...

応用数学の方は、まだ聞いたことがあるような名前が多いかと思われます。そして単純に世の中の役に立ちやすい学問領域です。というよりも目に見えて成果が出る分野になります。

具体例で言うと、統計学、暗号論、ゲーム理論、モデリング、数理ファイナンス etc…があります。最近は応用先が広がっていることから、必要性は伺われます。

僕の研究分野は応用数学だったので馴染みが深いです。(笑)

何か世の中の役に立つのではないか。という実感を持ちたい方にはお勧めの学問になりますね。

僕が数学を薦める理由3選

上記で説明したことは全て大学数学の話です。中高の数学では、「まったく意味がないではないか」と言われてしまうかもしれない。それでも真剣に取り組んだ方が良い理由を、6年間の塾講師経験よりお伝えしていこうと思う。

薦める理由①:思考体力がつくから

思考体力って何ぞや。ということから伝えると、「やりきる力・忍耐」などと言い換えることが出来ます。それが体育会系のような体力的なもの、走り続けることと同様に、思考体力は頭の中で物事を考え続けるという意味です。

なぜ、思考体力が身につくといいのかというと、達成感に酔いしれることが出来るからです。数学の問題は難しい。こんな難しい問題だからこそ、考え抜いて解答した先に達成感がつかめるのです。

陸上競技の例で考えてみましょう。

「マラソンを走りきる時」と「50m走を走りきる時」でどちらの方が達成感がありますか?

人にもよると思いますが、多くの人が「マラソンを走りきる時」と答えると思います。理由は単純で苦しいながらもゴールテープを切る。こんな時に「やりぬいた・やりきった」と感じるからです。

一方で「50m走を走りきる時」はゴールテープを切る瞬間よりも「ゴールテープを切った後のタイム」でやりきったかどうかを判断するのではないでしょうか。

マラソンでタイムを気にする人は、マラソンに相当なれている人ですよね。(友人の話によれば、3回ほど完走すればタイムが気になるそうです。)

そう考えてみると、小学校の算数や受験の数学は、50m走に近い部分がありますよね。

自分が今学習しているのは、マラソン型か50m型か、どちら数学なのかを把握した上で指導・学習する必要はあります。

ただ、先ずは達成感を味わうことが一番大切です。数学はマラソンと思ったほうがいいですよ。(笑)

「今まで数学に挫折したことがある。」「数学から逃げてしまったことを後悔している。」「何か達成感が欲しい。」と感じる方は、数学にチャレンジしてもらいたいですね。

薦める理由②:構造的に考えられるようになるから

よく論理的思考力が身につくという話になりますが、論理的思考力は意味が非常に広く、深いので敢えてその言葉は使わず表現させてもらいました。

じゃあ、「構造的に考える」とは人の話したことや物事を図解で分かりやすく、頭の中を整理することです。ロジックツリーやフレームワークなどが手段としては例に上がります。

メリットとしては、コミュニケーション能力、特に発信力が向上します。プレゼンテーション能力など図や単語を用いて説明する際に役に立ちますよね。

生きていく上で必要不可欠と考えられるコミュニケーション能力の向上、特に「伝える力」を根本的に向上させたい方は是非チャレンジしてもらいたいです。

薦める理由③:お金が稼げるから

最後の最後に賤しいなと思った方は、半笑いで読み進めてください。(笑)

経済産業研究所は、大卒者1万人の高校時代の得意科目と平均年収の関係を調査したところ、年収が最も高かったのは数学の620万円で、次いで理科の608万円、数学と国語では183万円も差があることがわかったと発表しました。

 

理由としては、主観ですが、先ほど述べた理由 2つが大きく起因してると思います。

だって企業側からしたら、頭がよくて、泥臭くできる人が欲しいですもんね。絶対活躍してくれそうですもんね(笑)

学生の方に向けて言うなら、現在流行っているプログラミングに対しての耐性が大きくつきます。プログラミングの学習では、3つのポイントが挫折するポイントと言われています。

①間違えてばかりでやる気がなくなる

②間違え箇所の手直しがしんどい

③自分が何をしているのか分からない

これを見ると、自分が数学を嫌いな理由に似ているのでは?

ただ勘違いして欲しくないのは、プログラミングをする為に数学が必須というわけではありません。数学が出来たら前向きに取り組むことが出来るのです。

なので、もっと稼ぎたいと思う方も是非数学にチャレンジしてみましょう!(笑)

まとめ

ここまで長々と数学の魅力、学習したほうがいい理由を述べさせていただきました。

単純に僕のメッセージはただ1つです。

「数学に前向きになろう」

今までたくさんの学生を見てきました。

「数学は辛いけれども将来のため、受験の為に頑張る!」という学生もいれば、

「将来の役に立たないから選択しない」「苦手だから選ばない」という学生もいます。

後者の方々は、逆に言えば、①思考体力 ②構造的に考える力 ③稼げる という3つのメリットを捨てる選択をしたということを認知してください。

いつか、どこかで、①②③を埋め合わせる必要が来ます。その時に後悔しない選択をして欲しくない。と思っていますので、参考にしてください。

また後悔している方は、是非これを機会に数学への扉を開いてもらえると幸いです。

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