数学の学び方 ~計算の仕方~

数学の学び方

今回は計算についての記事を書こうと思います。計算が苦手な方、計算ミスが多い方・計算の遅い方は是非読んで、実践してください。試験の解答時間が 5分ほど早くなれば力がついてきた証拠になるでしょう。

ここから約束して欲しいことは、計算過程は書き残すということだけお願いします。

計算には才能が必要?

結論から言います。才能は必要です。ただし、数学者や数学の研究の域まで頑張ろうと思う人に限る話です。つまり、僕たちはその偉い人達の知恵を、そのまま真似していくことが必要になってきます。逆を言えば、「先生」には才能が確実に必要です。(笑)

先生の伝えた計算方法が僕たちのノートに残るのです。とは言え、先生に責任を擦り付けても話は進みません。何も計算をスマートにやる必要はありません。試験時間に余裕があれば、必要ないのですから。

大切なのは、計算を効率的に行い、解答時間を短縮していきたいと思うかどうかです。この部分を強く持っていきましょう。

特に対策方法は、大きく2パターンに別れます。

a. 計算用紙の使用法

b. 計算方法の工夫

順に解説していきます。特にa. はいわゆる当たり前と言われていることです。でもなぜか忘れてしまうようなことです。b. については非常にテクニカルな話題ですので、知っている方は確認程度に、知らない方は今日からでも実践してみてください。

そもそも計算ミスはなくなるのか?

計算ミス、これは永遠の課題ですよね。このミスで何点落としたのか。。。数えたくもありません。僕自身も計算ミスは多いタイプでした。1試験で5回以上はしていましたが、あることに意識を傾けたら、計算ミスは本番で1箇所のみまで減りました。ここでは、意識的な部分になるのですがお伝えさせて頂ければと思います。

意識をしたことは字と書く場所の2つです。

①字は大きく、見易く、書く

②書く場所は出来るだけ真っ白な部分に

当たり前やん!!と思った方は、必ず意識して下さい。計算ミスが減る大きなきっかけになります。書き間違え、見間違え等ないよう心がけましょう。下の写真を見て、どちらが見直ししやすいか、考えてみてください。左じゃないから大丈夫ではないですよ。

試験後の試験用紙を見てください。似てるかもしれませんよ。(笑)

字が汚い人の思考回路: プログラミングの道by医学生アロリー西岡壱誠/現役東大生作家 auf Twitter: "数学のノートのコツは ...

計算時のポイント

なんだかんだ言っても泥臭く計算しなければならない時もあります。そんな時ほど、意識してもらいたいポイントをお伝えさせてもらえばと思います。

計算の工夫は、基本的には分解です。30=15×2 のように数字を分解していくのです。

分解には大きく2つあります。と言ってもどちらも使って計算することもたくさんあります。

①因数分解

②概数計算

因数分解

因数分解と聞いて、複雑な計算を思い浮かべる方も多くいるであろう。中学・高校と沢山演習問題を解き、苦しい思いをした方もいるでしょう。正直、僕も苦しかったです。

ただ、ここで使えるようになってほしい因数分解の公式は、数値計算の時に大きな力を発揮するものなので、2つに絞らせて頂きます。

  1. 共通因数でくくる

$$ ab+ac=a(b+c) $$

2. 2乗の計算を簡単にする

$$ a^2 – b^2 =(a+b)(a-b) $$

これら2つは様々な場面で利用することが出来ますので、利用することを念頭に置いてもらいたいです。

1.の場合は、確率など分数の計算が沢山ある時に活躍します。特に数字を分解する癖を持っておくと、さらに共通因数が見つけやすくなります。

2.については、三平方の定理や2次関数の計算の時に大活躍します。とにかく2乗や2乗数(4,9,16…)が出てきたら使う準備をしておきましょう。

上記で述べたのは、あくまで例なので他の部分でも使えるようにしましょう。

概数計算

突然ですが、\( 99×111 \) はどのようにして計算しますか? 筆算を書き出してくれた方は、必ず集中して読んでください。(笑)

ここでは、計算を簡単に行う方法ではなく、計算が早くなる方法をお伝えさせてもらえればと思います。その方法が概数で計算するということです。

具体的に言うと、数字を100や10などの切りのいい数字で分解することです。

$$ 98=100-2 $$

では、先ほどの \(99×111\) を計算してみます。
\begin{align}
99×111 &= (100-1) × (100+11) \\
&=100^2+10×100-11 \\
&=10000+1000-11 \\
&=10989
\end{align}

 

この様な形で計算を行うと筆算がいらなくなるので、計算ミスが格段に減ります。

なので、切りのいい数で分解するは常に意識しておきましょう。

具体例:斜辺が15, 他の辺が6であるような直角三角形のもう1つの辺の長さを求めよ。

 

図で表したときには、上図のようになって、\(x\) を求めることになりますね。その為に三平方の定理を使います。

$$ 15^2 = 9^2 + x^2 $$

$$ x^2 = 15^2 – 9^2 $$

ここで、2乗数が出てきていますよね。この部分が一番大切になります。よくある計算過程として、

$$ 15^2 = 175 $$

という風に書いてあるものをよく目にします。特に問題はありませんが、今回の趣旨から逸れるので工夫した計算方法をお伝えさせて頂きます。それは、2乗はそのまま計算する!です。実践してみますね。

\begin{align}
x^2 &= 15^2 – 9^2 \\
&=(15+9)(15-9) \ \ \ (①-1.の利用) \\
&=26 × 6 \\
&=(20+6) × 6 \ \ \ (②の利用) \\
&=120 + 36 \\
&=156
\end{align}

$$ x = \sqrt{156} = 2\sqrt{39} $$

と計算できます。この様に計算できる様になると、ミスなく・素早く解答することが出来ます。

 

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