理系の大学受験では、数学、英語だけでなく、理科2科目が2次試験で課されることは少なくありません。特に数学と英語はすぐに点数が伸びることが少ない科目です。
数学においては、本質・理屈を頭に入れ、きちんと記述できることが2次試験で求められます。今回は地方国公立大学の受験を考えている人は一読くださいませ。
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数学の参考書について 英語の参考書について
入試傾向について
様々な大学の2次試験を見ていると、体感4問中2問は数学Ⅲから出題されています。(すいません。正しい数字は出していません。)
それもそのはずです。数学ⅠAⅡBの学習は共通テストで測っているのですから。
共通テストでは測れない科目、それが数学Ⅲです。
もっとも、大学の授業で学習する微積分では数学Ⅲの知識が必要になります。大学入試の作問者側からしても、微積分が入っている数学Ⅲはできておいて欲しい。というメッセージになのかもしれません。
だからこそ、理系の入試を考えている方には、あるタイミングから数学Ⅲに注力して学習することを推奨しています。
詳細については、志望大学の過去問を見てほしいのですが、大きな目線で地方国公立大学の数学で得点を取るポイントは3つあります。
①数学Ⅲは10月までに仕上げること(特に微積分)
②自分で解答記述を行うこと
③共通テスト対策
こちらの3つについて解説していきます。
数学Ⅲは10月までに仕上げること(最低でも微積分)
偏差値が50~60の公立高校に通う学生の大半は高校3年生から数学Ⅲの学習がスタートし、最悪の場合、全単元の学習ができないこともあるぐらいです。
だからこそ、数学Ⅲで得点できるようになると他の受験生と差をつけることができます。ライバルが誰になるのか、はしっかり調べるといいですね。
当たり前の話ですが、他の受験生より多くの点を取れば合格できます。
その為には、ライバルの苦手分野で得点+ライバルの得意分野では失点しないことが必要です。
つまり「ライバルの苦手分野=数学Ⅲ」という可能性が非常に高いです。理由は習っていない可能性があるからです。だからこそ、数学Ⅲを学習するメリットは大きいです。本気で地方国公立(難関私大理系でも同じ)を考えるならば、数学Ⅲに賭けてみてもいいかと思います。
一例にはなりますが、僕が指導している生徒の数学Ⅲ学習スケジュールの大枠は以下の通りです。(もっとこうした方がいいなどあればコメントをいただければ幸いです。)
3月~ 4月 極限の基本(漸化式の復習も怠らずに)
5月~ 6月 微分(特にグラフの作図を中心に)
7月~ 8月 積分の基本(特に積分の計算を中心に)
9月~10月 実践演習+複素数平面
11月~ 1月 共通テスト対策演習
1月~ 2月 私大+2次試験対策演習
正直なところ、かなり絞った学習になりますので、生徒・保護者にきちんと説明をした上でプランを提示しております。
自分で解答記述を行うこと ~心をきれいにして~
生徒の数学のノートを見ていると、計算結果のみを記入している人がチラホラ見られます。
その方法がダメ!とは言いませんが、ゴールの国公立試験を鑑みるならば「解答の記述」は必ず行うべきです。ここまで、解答記述を行うべきという理由は次の2点です。
A:試験本番での時間感覚がつかめる。
B:思考の整理ができる。
A:試験本番での時間感覚がつかめる。
これは言うまでもないかもしれませんね。試験には制限時間がありますので、解答時間への意識は欠かせません。また、計算過程も懇切丁寧に書いていれば、時間がかかります。ここで大切なことは
何をすれば時間がかかるのか。
ということを知ることです。時間への意識を向けることで少しずつ計算を楽な方法でしようと模索します。(模索するようにしてくださいね)
B:思考の整理ができる。
次に思考の整理ができるという観点です。一般的に「人はアウトプットしないと整理ができない」といわれています。不安なことを他人に話してみれば、少し不安が和らいだりするのもアウトプット(他人に話す)という行為から来ています。
似たような感覚で数学の問題を解く際も、
問題文の整理+解答の根拠+計算過程
を書くことを意識してください。これら3つを書いていると、パターンが似ている問題を見抜くことができるようになります。簡単に言えば「初見の問題であっても対応できる可能性が上がる」ということです。
共通テスト対策について ~急ぎながら丁寧に~
共通テストは昔のセンター試験と全く異なります。センター試験はスピード重視の試験でしたが、共通テストは「スピード+実力」といった具合の問題形式です。
共通テストで見る問題は大体が初見と思っていてもいいぐらいです。特に数学は作成者側がよく考え、練られているので、問題の情報をきちんと整理しないとパターンが見えないこともあります。
また、パターンが分からなくても誘導があるので、ある程度は乗り切ることはできますが、完答は厳しくなります。(目標点に応じて対策を変えましょう。)
ちなみに、共通テストに解答記述はありませんが、簡単に書くようにしておきましょう。いつもと同じように解くことでミスが防げます。
志望大学の得点比率によりますが、数学Ⅲを学習する関係で共通テストの対策は、11月ぐらいまでできない人がほとんどです。
夏休みなどを利用して先取り学習または数学ⅡBまでの総復習を行いましょう。基本的な解法が頭に入っていない状態で、共通テストの過去問や実践問題集を解いても、解説や誘導が分からない可能性が高いです。
問題で出てくる誘導の意図が分かれば、解くのは容易になります。そのために参考書ルートで言う、基礎参考書のレベルは完成させておきましょう。(以下の参考書がルートに入っています。)
まとめ
地方国公立大学に向けた学習は時間を管理することがとにかく大切です。
数学ⅠAⅡBⅢ・英語・国語・理科2科目・社会、というように多くの学習科目があります。1回1回で100%の完成度を求めるのではなく、80%程度の完成ど何周も繰り返す意識で学習しましょう。
数学の学習において大切なことは「問題と解法の理解」です。どの科目にも言えることですが、数学は問題の情報量が少なく、自分で考える必要があるので、その「考える」訓練を問題演習を通じて行いましょう。
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