定義と定理の違いについて

子どもたちからの質問

みなさんは「食べ物」と聞いて何を思い浮かびますか?

バナナやマグロなどを様々なものが浮かんだと思います。

では虫は「食べ物」ですか?

日本に住む私たちにとって「食べ物」としては考えにくいですが、アフリカでは主食として食べる人たちもいて虫は「食べ物」として認識されています。

そのため捉え方によって同じものでも「食べ物」であるかないかが変わります。

数学ではこのように捉え方の違いで答えが変わってしまわないように、考え方を統一しなければいけません。

定義と定理の関係を学習するために定義と定理について確認していきましょう。

 

数学における定義とは

導入でも述べている通り考え方の統一をするために定義があります。例えば『同一直線上にない3点を結んだ図形』これは三角形の定義です。

右の図では確かに3点取っていますが同一直線上に点があるため三角形ではありません。同一直線上にない3点とは右図のようなものを指し、その3点を結んだ図形が三角形です。

つまり定義とは条件を満たしているものに名前をつける(意味を持たせる)という役割があります。

 

数学における定理とは、定理と公式は厳密には違うものですが一緒のものとして話を進めます。

定理や公式と名のつくものはたくさんありますが中学生の皆さんが知っているのは解の公式、三平方の定理、円周角の定理、図形の面積公式などがあると思います。

ここでは解の公式を例に出していきます。

解の公式とは2次方程式 $$ ax^2+bx+c=0 $$ の解は $$ \frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a} $$ と表せるというものです。

ここからわかるように定理とは条件を満たしているときに式や考えが得られるというものです。

 

 

 

定理と定義の関係性

今までの話をまとめると

定義→    数学的条件に名前をつけたもの

定理→    数学的条件から得られる式や考え

つまり定義と定理の関係は定義から得られる事実を式や考え方にしたものが定理となります。ここでは2等辺三角形の頂角から引く2等分線は底辺を垂直に二等分するという定理を証明して定義と定理の関係を感じてもらいたいと思います。

まず2等辺三角形の定義は『2つの辺の長さが等しい三角形』です。

次に角の2等分線の定義は『角度を2等分する直線』です。

ここから定理を証明します。

角の2等分線の定義より

$$ \angle\mathrm{BAD}= \angle\mathrm{CAD} $$

2等辺三角形の定義よりAB=AC

AD共通であるから

2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい

よって $$ \triangle{ACD}\equiv\triangle{ABD} $$

合同な図形の対応する辺と角は等しいので2等辺三角形の頂角から引く2等分線は底辺を垂直に二等分するは示された。

 

最後に

定義と定理の関係は理解できましたか?

補足ですが、定義は証明できないことが証明されています。今回は定義に分類しましたが、公理という考えも数学を学習する上であるので気になる方は調べてみてください。

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